借金の時効の確認方法

文責:所長 弁護士 鳥光翼

最終更新日:2024年01月10日

1 借金の時効の確認方法について

 貸金業者等から借り入れた金銭を返済する債務については、原則として期限の利益を喪失した日から5年を経過することで、時効によって消滅します(令和2年3月31日以前に成立した借金については、貸し手と借り手いずれも商人でない場合には10年で消滅時効が完成します)。

 つまり、借金の時効の確認とは、現時点において、期限の利益を喪失してから5年以上が経過しているかを確認することです。

 借金の時効の確認をするための方法としては、まず貸金業者等から取引履歴を取得するというものが挙げられます。

 もっとも、取引履歴を取得することで、消滅時効完成間際に時効の中断(更新)がなされる可能性がある場合には、別の方法を用います。

 以下、それぞれについて説明します。

2 貸金業者等から取引履歴を取得する

 貸金業者等に連絡をし、取引履歴を取得したい旨を伝えると、多くの場合対応してくれます。

 取引履歴には、一般的には、金銭消費貸借契約を契約してからの借入れと返済の履歴が、時系列順に記載されています。

 そして、最後の返済がなされてから一定の期間(契約の内容にもよりますが、2回滞納した時点など)経過すると、期限の利益を喪失し、消滅時効の進行が開始されます。

 取引履歴を見た時点で、期限の利益を喪失してから5年以上経過している場合には、途中に中断(更新)事由がない限りは、消滅時効が完成していると考えられます。

3 取引履歴を取得する以外の方法について

 貸金業者等に対して取引履歴の提供を依頼する場合、一点注意すべき点があります。

 取引履歴の提供を依頼するタイミングが、消滅時効の完成間近であったりすると、取引履歴取得依頼をきっかけとして消滅時効を中断(更新)するための行動を起こすことも考えられます。

 そのため、期限の利益を喪失してから5年以上経過しているかわからない場合には、うかつに取引履歴の取得をしない方がよいこともあります。

 そのような場合、過去の返済のための引き落としの履歴や、返済の催告の郵便物などの内容を確認し、期限の利益を喪失した時期を推定するということもあります。

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